2021/04/23
金魚

夏の縁日やお祭りでひときわ華やかなのが「金魚すくい」。
誰しも一度は金魚すくいをしてみた経験があるんじゃないでしょうか。

水槽の中で優雅に泳ぐ金魚は、ずっと観ていても飽きないですよね。日本の夏を象徴する存在でもあります。

そんな金魚、いつ頃から飼われるようになったのでしょうか。

そしてお祭りですくった金魚はどのように育てると良いのかも気になるところ。
今回は金魚にまつわるアレコレをご紹介していきます。

 

金魚に関する歴史

日本の魚と思われている事も多い金魚ですが、実は金魚の原産地は中国。中国・長江で発見された突然変異の赤いフナを品種改良し、宮廷で愛玩飼育されていたのがはじまりでした。

ひらひらと美しい尾ひれのイメージが強い金魚ですが、実はフナが祖先なのです。

鎌倉時代のころには日本でもその存在が知られるようになりましたが、金魚そのものが日本に入ってきたのが室町時代になってからと言われています。

その当時もやはり高級品として扱われ、一部の貴族が密かに楽しんでいました。

 

金魚の転記は江戸中期。藩士が”副業”として金魚の養殖を行うようになり高級だった金魚も庶民の手に届くようになりました。この頃から金魚すくいが登場し、俳句でも夏の季語として「金魚」が使われるようになったようです。

 

ツウな金魚の観賞法

金魚と言えば、金魚鉢。ガラスのボウルの中で泳ぐ姿を横から観賞するイメージもありますが、金魚が広まった江戸時代はガラスが普及しておらず、陶器の器に金魚をいれて、上から観賞するのが主流でした。

この観賞法を「上見(うわみ)」と言うのですが、上見したときの尾ひれの形や動きをどれだけ美しく出来るかが養殖の際の腕の見せどころ。

金魚を飼う事になったら、ぜひ上からも眺めて見ることをおすすめします。

 

縁日ですくった金魚の育て方

縁日で金魚すくいをしておうちに連れて帰ったものの、数日で元気がなくなり…という悲しい思い出がある方は少なくないはず。

金魚はとてもデリケートで、お家につれて帰ってから水槽に移すまでコツがありますので、ご紹介します。

金魚すくいから帰宅まで

金魚を入れる袋には、なるべくたくさん水をいれてもらいましょう。
もし可能であれば、お店の方に相談して元気な金魚と交換してもらうのもありです。

そして、金魚をつれて帰るなら急ぎつつも揺らさないように。
小さなお子さんが袋を持っていると振り回してしまうかもしれませんが、金魚さんが元気に帰れるように…と伝えてあげると良いかもしれません。

帰宅してから水に入れるまで

事前に金魚すくいをすることを想定できそうなら、金魚用の水をバケツにためてベランダに置いておくと良いです。

日本の水道水は幸い金魚を育てるのに向いている方ですが、水道水には殺菌消毒のため微量の塩素が含まれており、金魚をお水にいれる前に塩素を抜く必要があります。

バケツに汲んだ水をベランダの日の当たる場所に2-3時間置き、直射日光に当てればOK。そのあとは水温が上がり過ぎないように日陰や玄関にバケツを移動させておきます。

また、急ぐのであれば家庭用の浄水器を通した水でも大丈夫です。

金魚を連れて帰ったらいきなり水槽やバケツに入れず、袋の水と温度を揃える必要があります。袋ごと金魚をバケツの中にぶら下げて、30分以上置きます。そうするとバケツと袋の中の水温が同じくらいになります。

水温が揃ったら、金魚が飛び出さないように注意しながら袋の中の水をこぼしていきます。
そのあと、バケツの水を袋に入れて元の水量に調整します。これを2-3回繰り返し行います。これは、袋の中の水の雑菌をバケツに混入させないための工夫なのです。

この水の調整が済んだら、金魚をバケツの中に放してみましょう。

 

水に入れてから翌日まで

バケツに移した金魚は、玄関や直射日光があたらない場所で様子をみます。

餌は連れて帰ってから3日間ほどは与えないでください。翌日になって、元気に泳ぐ様子がみられたら、金魚との暮らしのスタートです。

 

水槽での飼い方

金魚を飼う水槽には、水のろ過装置を入れる事をおすすめします。

金魚は比較的排泄物が多い魚で、水が汚れがち。こまめに水換えを行う必要がありますが、ろ過装置があるとお掃除が楽になります。

また、水草にも自然の浄化作用があるので、水槽の中に入れると良いでしょう。苔などの発生を抑えてくれる効果あり、おすすめの水草はマツモ、アナカリスなどです。

金魚の餌

金魚の餌は多くわけて2種類あります。

人工飼料と天然飼料があり、人工飼料はフレーク状と粒上のものが販売されています。

フレーク状のものはこまかく砕けて水を汚しやすいのが難点なのですが、逆に粒状で水に浮くタイプの餌は食べ残しても取り除きやすいという利点があります。

フレークの方が金魚は食べやすいようですが、メンテナンスも考慮にいれて選ぶと良いでしょう。
また、天然の飼料(赤虫やミジンコなど)は、金魚に人気のようですよ。

金魚のアレコレ、まとめ

金魚は中国から来たお魚で、しかもフナが祖先だとは意外だったかもしれませんね。

次に金魚すくいをする機会があれば、育て方や観賞方法を参考にしていただけると嬉しいです。

 


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