提灯を飾る意味や種類にはどんなものがある?
縁日やお祭りのとき、櫓(やぐら)などに飾られている提灯を見るとお祭り気分が増しますね!
そういえば、お祭りや神社に提灯を飾るのにはどんな理由があるのでしょうか。
今回は提灯の由来やその種類などについても解説していきたいと思います。
そもそも提灯ってどういったもの?
まずは、辞書で提灯の意味を調べてみましょう。
《唐音》照明具の一。足元を照らすために持ち歩いたり、標識として備えつけたりするもの。初めは木枠や籠 (かご) に紙を張ったものであったが、のち、細い竹ひごの骨に紙を張り、中にろうそくを立てて用い、折り畳めるようにした。形・用途によって小田原提灯・箱提灯・高張り提灯など各種ある。「一張 (ひとはり) 」と数える。
出典:goo 辞書 ちょう‐ちん〔チヤウ‐〕【▽提▽灯】 の解説
ふむふむ。持ち歩き用の照明器具、といった感じですね。
提灯は英語にすると「Lantern(ランタン)」ですが、このランタンで検索すると以下のようにアウトドア製品がたくさん出てきます。こちらも用途としては同じく「持ち歩き用の照明器具ですね。
また、提灯は暗いところを明るく照らす事ができるため、魔除けとしても使われてきたようです。
神社で見かける提灯にはどんな意味があるの?
元々は足元を照らすなど手に提げて持ち歩くものだった提灯ですが、神社ではいくつも吊り下げてあったり、中には企業名や個人名が書かれている提灯もあります。それらには一体どういう意味があるのでしょうか。
実は神社に飾ってある提灯には大きく分けて2種類あります。
御神灯(ごしんとう)
「御神灯」は「御神燈」という書き方もあるのですが、神様にお供えする灯火(ともしび)の事です。
江戸時代より前から、日本ではお祭りの前夜または前々夜に行う「宵宮」には、各家ごとに「御神灯」の提灯を吊って本宮を迎える風習がありました。現代では軒先に提灯を吊るす事はかなり減ってしまいましたが、神社にはまだこうした風習が残っています。
奉納提灯(ほうのう提灯)
奉納提灯は神様に捧げる供物の役割があります。
神仏に感謝の気持ちをあらわすため、お酒やお米などの供物を捧げる事がありますが提灯もその捧げ物のひとつというわけです。
納め方はその神社によって異なるのですが、奉納者の名前や住所、電話番号、提灯に記載する個人名や会社名と提灯奉納料を添えて納めるのが一般的です。基本的に奉納する提灯は用意する必要はありません。
提灯の種類にはどんなものがある?
提灯と言って思い浮かべるのはどんなものでしょうか。
実は提灯の種類や形にはかなりたくさんの種類があるので、人それぞれ、想像する提灯のイメージがちょとずつ違うかもしれません。
高張提灯(たかはりちょうちん)
お祭りに使われる事が多いがこの高張提灯。
大きな棗(なつめ)型の提灯で、和紙や竹ひご、針金で作られています。
お祭りの時には長竿(ざお)の先に取り付け、高く掲げて使います。
形状は長型、丸型、卵型などがあります。
弓張提灯(ゆみはりぢょうちん)
竹を弓のように曲げて、その上下に引っ掛けてて張り開くようにした提灯です。
弓張提灯は手に持って使うのが一般的です。形状は長型、細長型、丸型があります。
箱提灯(はこぢょうちん)
提灯の上下に丸く平たいふたがあり、畳むと全体が丸箱に入ったようになる形状のものです。
有名なもので「小田原提灯」というものがあります。宿場町として有名だった小田原在住の甚左衛門という提灯職人が、「旅人が持ち歩く際便利なように」と開発したのが始まりだそうです。作業工程もシンプルで、他の提灯より比較的安価で販売されていたようです。
安くて手軽な提灯、しかも小さく畳めるとあっては、旅人に重宝された事でしょう。
現代の提灯の使われ方
神社やお祭りで使われる風習は今でも残っていますが、家庭で使う事はすっかり少なくなりました。
現代では飲食店の赤提灯のイメージも強いかもしれませんね。
元々照明器具として使われていた提灯、いまではイベントなどでの装飾にも使ったりします。
お洒落な提灯の写真をいくつかご紹介していきます。
屋外イベントでも映える、カラフルな提灯
写真は建物もライトアップされていて、その色と提灯のカラーがマッチしていますね。とっても可愛いです!
ウェディングパーティなどでも活躍してくれる提灯たち。天井からたくさん吊るすと、とっても華やかな印象になります。
こちらはちょっと番外編、という感じですがハロウィンの時に飾る「ジャック・オー・ランタン」
これも提灯と言えるかも…?
提灯を飾る意味や種類まとめ
今回はお祭りには欠かせない、提灯についてお話してきました。
元々は照明器具の役割だったり、魔除の意味があったり、旅人のための道具だったりと色々な場面で活躍してきた提灯。今日では装飾として使う事が多くなってきましたが、それでも飾る意味を知っていると見え方が少し変わってきますね。
お祭りでも、インテリアでも、いろんな提灯を楽しんでみてください!
この記事をシェアする