線香花火

夏の風物詩といえば線香花火。

手持ち花火の中でもひときわ人気の線香花火ですが、実は大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか?

 

今回はそんな2大線香花火を取り寄せて、見た目や火花にどのような違いがあるのか検証してみました。

線香花火にまつわるお話を交えつつ、西と東の線香花火特徴をご紹介します。

 

江戸時代に登場!線香花火の由来とは…?

江戸時代に登場した線香花火。現在では手に持って楽しむのが一般的な線香花火ですが、当時は細い藁(スボ)の先に火薬をつけたものを香炉や灰にさし、立てて鑑賞していたのだとか。

その様子がお仏壇に供える線香のようだったので「線香花火」と呼ばれるようになったようです。

 

伝統を継承する筒井時正玩具花火製造所

現在、純国産の線香花火は大変希少。中国産などの輸入花火が多く出回っていますが、国内で花火を作っている製造所はとても少ないのです。

福岡県みやま市高田町で国産の線香花火を作っている筒井時正玩具花火製造所は、1999年に廃業予定だった製造所から製造技術を引き継ぎ、現代に国産の花火を残してくれています。

今回ご紹介する東西の線香花火の他に、ギフトにもできるような美しい花火をたくさん作っていますので、気になった方はWebサイトをご覧になってみてくださいね。

 

東西で違う?2大線香花火

線香花火の種類は大きく分けて2つ。

関西中心に親しまれてきた「スボ手牡丹(ぼたん)」と、関東を中心に広がった「長手牡丹(ながてぼたん)」があります。

 

見た目もかなり異なるので、見分けるのは簡単。

それぞれの特徴をご紹介します。

 

西の線香花火 スボ手牡丹

こちらが西の線香花火、スボ手牡丹です。

スボ手牡丹は江戸時代の線香花火と見た目が同じスタイルのもので、藁(スボ わらとも読む)の先に火薬をつけたもの。

 

見た目はちょっと地味ですが、昔ながらの味わい深さがあります。

 

東の線香花火 長手牡丹

「長手牡丹」は和紙を撚って火薬を包んだタイプ。

江戸では藁が手に入りにくかったため、次第にこの長手牡丹に切り替わっていったようです。

 

このタイプは手持ち花火セットでよく見かける印象です。見た目も派手ですね。

 

線香花火は4段階で楽しむ

さて、早速火をともして楽しみたいところですが、その前に線香花火を楽しむための基礎知識を。

線香花火の火花は、実は4段階に分かれています。

 

第1段階 蕾

着火直後、だんだん丸く、大きくなっていく火の玉。この状態を蕾と言います。花火なのでその”花”が開く前の状態ですね。

第2段階 牡丹

パチパチ音が出始め、火花が弾けていきます。この段階を「牡丹」といいます。

第3段階 松葉

火花の勢いが増してきます。

どんどん火花が散って松の葉のよう火花が広がっていきます。

第4段階 散り菊

だんだんと火花の勢いが落ち着き、お花のような火花から柳のように線の細い火花へと変化します。

 

この4段階を頭にいれつつ、西と東の線香花火の様子を比べてみましょう。

 

実写!火を灯した線香花火を比べてみよう

やっぱり気になるのは、火を灯したときにどのように違いがあるかですね!

それぞれ、4段階でどんな変化を見せるのかをレポートしていきます。

 

西の線香花火 スボ手牡丹の様子

こちらが西のスボ手牡丹の様子です。

こちらが西のスボ手牡丹の様子です。

火薬がむき出しになっているせいか、着火が早い印象です。蕾も大きくなりやすく、持ち手の部分にじりじりとした動きを感じるほど。

牡丹から松葉の間はあまりはっきり分かれておらず、大きな火花が狭い範囲で勢いよく散る印象です。

風などの環境にもよるかとは思いますが、着火から火が消えるまで平均して40秒ほど楽しむ事ができました。

 

東の線香花火 長手牡丹の様子

こちらが長手牡丹の様子。

スボ手牡丹に比べ、4段階がかなりはっきり分かれているように感じました。

火花が散る範囲は広く、華やかな印象です。ただ、火種のが落ちやすくて途中で終わってしまう事もしばしば。

 

どちらかと言うとスボ手牡丹の方が長く楽しめる印象です。

こちらは平均して35秒ほど持ちました。

 

西か、東か。2大線香花火を比べてみた まとめ

ちょっと高級ですが、純国産花火にしてみると火花が4段階で変わる様子をじっくり楽しめておすすめです。

夏の贈り物としても喜ばれそうです。

子供から大人まで一緒に遊べる手持ち花火、ぜひこの夏に体験してみてくださいね!


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